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人材紹介業の求人企業開拓は難しい?

文 小林 毅


2018.04.20

こんにちは、あなたのキャリアアップする転職をサポートする、人材コンサルタントの小林です。人材紹介業の立上げ支援やコンサルタントの育成研修をしていると、多くの紹介事業者と出会います。人材紹介業の難しいところは、ビジネスモデルが単純な割に、結果がなかなか伴わないことが挙げられます。なぜそうなるかを検証したいと思います。

開業後、最初にぶつかる壁

紹介業を未経験で開業する事業者はとても多いのですが、例外なくぶつかる最初の壁が求人企業開拓です。どの会社が人材を募集しているのだろうと思い、知っている企業のHPの採用ページを見る、転職サイトの求人広告を見る、ということは誰でも思いつきます。そこで企業の採用担当に連絡をし、取引してほしいという営業を掛けることになります。

しかし多くの人事採用担当者はこの手の営業を嫌います。なぜならば、ほぼ毎日このような電話が掛かってきて、仕事の妨害になっているからです。採用担当者の仕事は、良い人材を確保することなので、人材紹介会社はパートナーとして重宝したいところですが、そこまでの意識を持っている担当者は極稀です。むしろ、うっとおしいと思うくらい、毛嫌いしている人もいます。

そんな担当者に電話をしてしまうと、とてもひどい言葉を浴びせられます。私も過去に何度かそのような扱いを受けました。初めて電話する人に対して、あそこまでひどい言葉を良く使えるな、と思うような悔しい思いもしました。

そんなとき、甘い誘いがある

営業電話で苦戦した紹介事業者に対して、ある業者から連絡が入ります。それは、紹介会社になり替わって営業を担当し、開拓した求人企業の案件を取り扱える、というものです。その数もとても多く、あっという間に求人企業が増え、紹介先に困らなくなる、というロジックです。当然利用料も掛かり、結構な金額となっています。

「営業担当を雇うと思えば、安いものですよ」

そのような営業トークにコロっとなり、思わずサービスを利用してしまう事業者が最近増えています。確かに企業開拓に要する時間を買うという発想であれば、とても有効な手段と思います。しかし、このサービスを利用して成功した紹介会社を私は知りません。それどころか、短期撤退を余儀なくされる結果となっています。なぜそのような結果となるのでしょうか。

起こり得る弊害

まず、案件が多くなるということがあっても、どの案件を取り扱うかが絞れていません。たくさんの選択肢があると、選べないという傾向がありますが、まさにそこです。自分の得意領域も作ることができず、ただ無駄に数多く取り扱っているだけとなります。

次に、求人企業のニーズが把握できません。企業はなぜ中途採用をするのか、ということを意識すれば、簡単にわかることですが、そこに気が回らないと見えてきません。求職者はどのような背景で募集を掛けているのかなど具体的な情報が欲しいものです。その期待に応えることができないです。

そしてこれが一番大きいことですが、自社開拓が出来ないと、所詮は下請け根性となってしまい、主体的に仕事に取り組むことができなくなります。営業活動はとても大変です。前述のように、ひどい言葉を浴びせられることも日常です。そのようなとき、この悔しさをどこにぶつけるのか、どうすれば企業は話を聞いてくれるのか、などを考えます。悔しい思いをしたときは、ライバル企業を開拓し、その会社をつぶしてやる、くらいの気持ちを持ったこともありました。話を聞いてくれない採用担当者がどうすれば興味を持ってくれるのかも研究しました。このプロセスが大切なのです。

主体的に仕事ができなければ、どこか他人事。紹介してもなぜ決まらないのかがわからない。そのような現象が起こるのです。

企業開拓が出来ない紹介会社の未来は暗い?

私の経験上言えることは、企業開拓はとても簡単である、ということです。ほとんどの取引形態が「成功報酬型」なので、求人企業はリスクがありません。そのような環境下で、一切企業開拓が出来ない紹介会社の未来は暗いでしょう。

そして求職者から見ても、出される案件が悉くどこかで紹介されたものであれば、紹介会社を使うメリットすら享受できません。スカウト返信率が上がらないと言う前に、まずは自社努力から始めることに気づくべきです。

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