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転職市場の景気が良いことについて考えてみる

文 小林 毅


2019.05.10

こんにちは、あなたのキャリアアップする転職をサポートする、人材コンサルタントの小林毅です。

拙著『転職大全』を出版してから、書店周りを精力的に行っていますが、転職が段々と当たり前になってきたということで、書店も力を入れているという声を聞くと、時代の変化を感じますね。

超売り手市場という背景

GWを過ぎたころから、転職を本気で考える人が増えると言われています。それは長い休みから職場復帰すると現実に絶望するという現実逃避型、みんな休んでいるのに、自分の会社は休めないという構造的問題型、現実の自分と仕事の自分のイメージが違うという本当の自分を追いかけたい型(?)などに原因は分かれます。以前なら嫌でも我慢して働き続けたのですが、景気がいいことで躊躇なく行動を起こす人が増えているようです。

事実、職務経歴書などを見ると、1年〜2年程度の短期で転職を繰り返している人が多くなってきました。一昔前ならこのような刻んだ書類は通らないのですが、売り手市場のお陰で採用されるようになりました。会社によってはバイトの面接感覚で内定を出すところもあります。そのハードルの低さのため、短期で辞め、結果離職率が高くなるという現象を引き起こしています。

人材不足か、人手不足か

ここで求人企業側の事情を知る必要があります。それは、次世代の会社を担う人材を求めているのか、それともただ単に人がいないので補充をしたいと思っているのか、ということです。その点を求職者側が見定めないと長続きしません。人手不足の会社に入社しても、構造的に成長出来ない会社であるため、短期で決断を出してしまい、また次を求めるという現象が起こります。そのような会社ばかりを選択していると、年齢相応の経験を積むことが出来ず、30代後半になってもスタッフレベルという、いわば使えない人材に成り下がってしまう恐れがあります。最近の景気の良さが本来の転職の目的をブレさせているように感じてしまいます。

中途採用をする企業は必ず問題点がある

人手不足なのか人材不足なのか。その募集の背景を知らなければ転職は上手くいきません。多くの求職者は長期で勤めたいと考えていると思いますが、その問題点を知らない限り、長続きすることが出来なくなります。短期で刻む経験は、ある日突然賞味期限が切れてしまいます。そうなると、もはや転職は人手不足の業界・会社しか見つからず、転職を繰り返すという負のスパイラルは止まりません。そしてやがて人手不足の会社からも相手にされない状況に陥ってしまうのです。

欲しいと思わせる経験こそ財産

新卒と経験者、給与が高いのはどちらでしょう?基本は経験者のはずですね。なぜなら、新卒は経験が無いからです。武器として持っているのが学歴くらいで、あとは素直さなどのパーソナリティで適正を見ていきます。一方、経験者はスキルという経験値があるため、仕事における再現性が期待できます。そしてそれ以上の相乗効果を求めることもできます。それは裏付けられた経験値あってこそ。短期で転職を繰り返す人は、絶対的にその経験値が足りないと判断されます。そうなれば、若い人材との競争となったとき、若さが無いので競り負けるのです。

この空前の売り手市場は、本来成長すべき稚魚までを乱獲しているように映ってしまいます。オリンピック後は景気は落ち着く、と言われていますが、果たして成長出来なかった人たちにはどのような現実が待っているのでしょうか。

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