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有期雇用から正規雇用へ 5年ルールの概要

文 小林 毅


2017.11.20

こんにちは、あなたの成功する転職をサポートする、人材コンサルタントの小林毅です。

先日、労働局が主催する改正職業安定法の説明会に参加してきました。趣旨としては、紹介会社としての取り組み方や労働局に対する報告の改定などもありましたが、対労働者に対する権利関係の説明も含まれていました。その中で、『無期転換ルール』についても言及されていましたので、こちらで取り上げたいと思います。

これは平成25年4月に施行された法律で、契約期間に定めがある「有期労働契約」が同一の会社で通算5年を超えて就業すると、無期雇用に転換できる、というものです。

有期雇用契約は、契約社員のみならず、パートタイマーやアルバイト、派遣社員も含まれます(名称は問われない)。このルールの権利を本格的に取得できるのが、法律施行から5年経つ来年の4月、ということなのです。この法律によって、今まで有期雇用契約であった人が、正規雇用になる権利を得ることになります。

これまで色々な情報が錯綜しており、何が正しいかがイマイチわからなかった問題でしたので、概要がわかりすっきりしました。この説明を聞いて、あ、そういうことだったのか、と驚いた感じです。

2年前に派遣法が変わったとき、多くの派遣会社が将来に不安を覚えました。同一企業へ5年間派遣しているケースはとても多いので、このルールが適用されると、派遣スタッフを失ってしまうからです。

派遣会社にとって、派遣スタッフは言わば『商品』です。商品を売り払うと働き手を失いことになりますので、自社スタッフとして長く雇用してくれたほうが、収益は安定します。国の方針がどうであれ、本音ベースでは何かしらの形を変えて、5年ルールの適用を免れることを考えていました。

同じように、派遣スタッフ側もこのルールを受け入れがたいものと考える人が一定数いました。自由な働き方を選択していた人からすると、正規雇用に何も魅力を感じません。また、5年経って派遣契約を切られても、正規雇用になれない人が続出することも懸念されていました。有期雇用だから働いてもらっているが、正規雇用では必要ない、という状況になれば、一体誰のための法律か?という議論になりますからね。

それが今回の説明会で、懸念が解決されていました。

『正規雇用になるかどうかは、労働者の自由意志で決める。』
『会社は5年ルールの権利を対象者へ教える義務はない』

要するに、労働者側がそのままでいい、と言えば、それが尊重され、無理に正規雇用にならなくてもいいということです。雇用主も、正規雇用になれる権利を持っていますよ、と伝えなくてもいい、ということです。この結果、若干の正規雇用率が上がるかもしれませんが、私は今までと何も変わらない雇用状況が続くだろうと思います。

働き方改革とは言っても、誰のどの権利を守るかで、見え方は変わってきます。有期雇用・無期雇用、裁量労働制、ワークライフバランスやブラック企業対策など問題は山積ですが、もっと根深いところに日本の雇用問題はあるのです。なんちゃって改革、で終わってしまわないことを祈るばかりです。

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