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お勧めの本『採用基準』伊賀泰代著 ダイヤモンド社

文 小林 毅


2017.04.17

こんにちは、あなたのキャリアアップする転職をサポートする人材コンサルタントの小林毅です。

今日はお勧めの本を1冊。元マッキンゼーにて人事採用を17年間担当された著者による『採用基準』です。これからの時代に選ばれる人材、という目線で書かれた自己啓発本です。

著者が一番主張したいことは、リーダーシップについてでした。曰く、マッキンゼーではこの点を重視した採用をしているが、日本人の多くがこの資質が決定的に欠けており、このままではグローバル化する昨今の人材マーケットで生き残れない、という内容です。

<優秀な人材>という定義がそもそも日本企業と違っており、平均的優秀な人材にはマッキンゼーは興味がなく、何かにおいて突出した高い能力が必要であるとしています。では、どの点が優秀な人材として定義づけられるかというと、以下3点です。

  1. リーダーシップがあること
  2. 地頭がいいこと
  3. 英語ができること

日本人の優秀な人材は②だけ、特に①が低すぎることを嘆いています。ここに日本語ができることを加えれば、外国人でも良いとなります。そうすと日本人は択ばれません。日本人は英語力不足には危機感を持っているが、リーダーシップの欠如は問題意識すら持っていない、そこが残念であると主張しています。

確かに、転職マーケットで生き残っている人は、主体的に行動しています。自分がどのような人生を送りたいか、どこに強みがあるかなども熟知しており、アピールもとてもうまい。ただ全体でみると、ほっておいても内定が出る人は全体の5%と考えていますので、私の主張と融合すると、上記の3つを満たす人は全体の5%程度に過ぎない、となります。

では多くの日本人が本当に絶望的な状況かと言うと、それはちょっと乱暴かな、とも思います。例えば著者が主張する優秀な人材と、日本人が大切にしている優秀な人材の定義が違うと言います。例えばチームワークの点において誰も決められないことは致命的であると主張していて、私も大いに同意するところですが、それでも日本の組織が回っていることも見逃せないのです。

誰が責任を取るのか?ということがいつでも起こりうるのが日本人ですが、そこでいつまでも停滞することもあまりないと思います。ある一定の時間が過ぎれば、過去にこだわるより未来志向となり、問題解決に向かって舵を切るのです。

マッキンゼーなどのコンサルティング会社は属人的な組織ですから、コンサルタント=個人商店です。一方、組織化するということは、誰がやっても品質が一定、という強みがあり、そこを志向した日本の組織力は、他には見ない強みを発揮していることも事実です。各々が役割を自覚し、目的に向かって突き進む力は素晴らしいのです

リーダーシップは必要だと思いますし、これが無いと今後は厳しいという意見は同意しています。しかしながら、その当たり前のことだけで解決できないところに、日本の潜在的な力があるのではないか、と思ってしまいます。

ゼネラリストが評価される日本社会において、スペシャリストとして生きていくことは、有利でもあり、不利でもあります。特に日本の大手企業は、スペシャリストを嫌う傾向にありますから、ここで言うリーダーシップが強い優秀な人材には向いていません。

突き詰めれば、求人企業次第、となってしまいます。職務主義での評価制度が崩壊しない限り、著者が主張する人材の活躍の場は限られます。ただ、政府も職務主義評価への移行を推進している(同一労働同一賃金)ので、今後は著者の主張が正しい、となるかもしれません。私も転職マーケットから鑑みても、著者の主張する人材が今後活躍していくだろうと感じていますからね。

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