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撤退する勇気を持つこと

文 小林 毅


2017.09.06

こんにちは、あなたのキャリアアップする転職をサポートする、人材コンサルタントの小林毅です。

人は間違えます。その間違いに気づいたとき、どう振る舞うか、ということについて考えてみます。

自分が考えた計画が、とてつもなくいいもので、もう実行するしかないでしょう、と考え行動する人は、転職マーケットにも、起業家にもたくさんいます。しかし、多くがそのアイディアが営利活動を目的としていないものや、やったことがないことばかりなので、行動に起こした後上手く行かず、めちゃくちゃ後悔する、という現象を引き起こします。

転職で言えば、高尚な理想を語る経営者に心惹かれて、ベンチャー企業へ合流するも、中身はぐちゃぐちゃで組織としての体が成していないというケースです。聞いていないことばかりで、約束した給与も反故にされるなど、自分の判断の甘さに絶望したという話はよく聞きます。

起業した人もそう。起業する本人はストイックで意識が高く、社会に問題がある、世の中を変えたいと意気込んでいます。しかし他の人はそこまでの意識でないので、自分の持つアイディアが全く売れず、明日の心配をするような事態に陥ります。

サラリーマンのときは、給与をもらいますから、いくら不遇とは言え、心のどこかに余裕が持てます。明日飢えるようなことはほぼ無いでしょう。

しかし起業家は違います。資本金という名の自己資金が、投資という名目でどんどん消えていきます。300万とか500万くらいのお金は、あっという間に無くなっていくのです。

いずれも、理想ではご飯は食べられない、という基本のことに気づくのです。

間違えたと気づいたときどう行動するのか?

そして本題ですが、この気付きを得たとき、どう行動するかが運命の分かれ道です。

転職組であれば、すぐに他の企業を探す、ということが挙げられます。あまりにも短いと、転職先からも評価されないのではないか、という懸念もありますが、私は早急に逃げ出すべきと考えます。

但し、現職を辞めての行動はご法度です。周りからは斜めに見られるので、辞めての行動はいくら自分を正当化しても、信じてもらえない可能性が高いのです。すぐ辞める我慢が足りない人、本人はそう言うが、実はクビだったんだろう、などと決めつけられてしまいます。

起業家はどうでしょう?今まで投資したものがすべて無駄になってしまうのはもったいないと考えてしまいます。今は耐えるとき、もう少しすれば必ず状況は改善するかもしれない、となかなか決断できません。

しかし私は、起業家が間違ったと思ったら、早期に撤退すべきと思います。短期で損切りしないと、傷口が拡大するからです。もしサラリーマンに戻ることがチラついているのであれば、一刻も早く決断すべきでしょう。

中途採用の現場では、一度独立した人は門前払い、という企業が大半です。書類すら見てくれません。まず上場しているような大きな企業は無理でしょう。どんなに優秀であっても、直近で会社勤めをしていないような人は、組織として使えないと考える傾向にあります。

いくら私自身が強く推したいと思っても、人事担当は受け付けてさえくれません。人の価値は自分が決めるのではなく、マーケットが決めるという事例の典型です。だから早期の決断が生死を分けるのです。

過去の戦争で、撤退を決断できず全滅した軍隊が多いことは歴史が物語っています。撤退する勇気も時には必要なのです。

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