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働き方改革の目的は、正規雇用を無くすこと

文 小林 毅


2018.01.29

こんにちは、あなたの成功する転職をサポートする、人材コンサルタントの小林毅です。

正規雇用と非正規

先日『朝まで生テレビ』を観ていましたら、働き方改革について議論されていました。そこでパネラーより、働き方改革とは、正規雇用を無くすことを目的にしているのでは?という意見がありました。

それまではむしろ逆で、非正規雇用を無くする方向について意見が交わされていたので、この切り口はとても新鮮でした。それで、仮説を切り替え、正規雇用を無くすという視点で考えると、日本の雇用についての問題がかなり詳細に浮き彫りになりました。

労働生産性の悪さと無能な経営者

その最たるものが『労働生産性』でした。主要先進国では最下位というデータも出てきて、如何に日本人は効率の悪い働き方をしているのか、という点が議論されていました。この労働生産性の悪さは、ここ15年ほどで顕著になってきたようで、その原因が『無能な経営者』という意見が大半でした。

さて、経営者が無能だから、社員の生産性が低いのか、という点を考えてみたいと思います。

私も一応、経営者の端くれです。人材を雇用したことはありませんが、過去に業務委託契約でコンサルタントの育成にチャレンジしたことがありました。そこで感じたのは、人に教えるという難しさでした。特に業務委託契約であれば、限られた仕事に対しての限定した関係であるので、対象者が別の仕事(本業など)があれば、そちらを優先することになっても文句も言えません。そこで思ったのが、しっかりと雇用をしない限り、想いを伝えることは難しいということでした。

では、そこで人を雇えるか、という点を考えると、かなりリスキーであると思いました。給与を保証するからこそ、指示命令が徹底できるのですが、そこでリターンを得られなければ、投資が浪費になってしまいます。その点を考慮し、自分の立場では今のところ雇用することは難しいと思っているのです。

そこを動かすことが経営者の仕事だろう、と言っているのが今回の経営者無能論かと思います。ある程度規模が大きく、安定した売上を上げている企業であれば、労働生産性が低い人材も我慢して使うこともできますが、そうでない企業は、生産性が低い労働者には退出してもらうしかないのです。ただ、日本の法律の壁が、それを妨げています。

ということからすると、働き方改革は、正規雇用を無くすという意見に行き着くのです。

『二八の法則』というものがあります。会社で貢献しているのは二割で、残り八割は生産効率が悪い、というものです。似たような言葉で、二六二の法則がありますが、これは下の二割は働かない毒みたいな人と言われています。

どちらにしても、対価に見合った働きをしていない人たちが多いということです。その人達を解雇しやすくし、しっかりと働いた二割に高い給与を払うという制度を実現させたいのが、今回の安倍首相が目指す働き方改革ではないか、というものでした。

会社の仕組みが生産性の悪い人材を生んでいる

日本がGDP第三位をキープ出来ている最大の理由が、人口の多さと言う鋭い意見がありました。今後、出生率の低下によって労働人口が減少すると、日本の活力が失われていくのは必然のようです。そこで否が応なしに求められるのが高い労働生産性となります。

しかし、日本企業の多くが、非効率な人材を生むような仕組みで運営されているため、どうしても解決の糸口が見つからないのが現状ではないでしょうか。なぜなら経営者マインドで考えると、2つのわがままが存在するからです。

1つは、雇用を守りたいという点。
もう1つは、雇用を打ち切りたいという点

相矛盾する2つのわがままですが、多くの経営者はそう考えています。1つ目を実現させるためには、組織化することです。社員の品質をある程度一定にすることで、誰がやっても同じ仕上がりが実現できます。そこで仕事分担をし、一人あたりの負荷を低減することで、働きやすい環境を提供できます。

しかし後者の発想では、組織は安い労働者を好むため、給与が高くなった人材を切りたいと考えます。しかもその給与が高い人材の生産性が低いとなれば、真っ先にリストラしなければいけません。一人あたりの負荷を低減することで、専門性が身につかず、誰がやっても同じ品質を実現できることで、どうせなら若い人材にやってもらおうと考えるのです。

後者のような人材がたくさん居るのが日本企業です。それは前者の組織を志向することで今なお量産され続けているのです。会社の看板が外れた時、自分は何者であるかを語れない人の多くは、自分は後者に属していると考えた方が良いでしょう。

それを抜け出すためには、会社に盲目的に従っていてはダメだ、ということです。ヘッドハント会社時代に、多くのグローバル企業の雇用環境などを観ていたものとして、日本企業はもう待ったなしだな、と強く感じています。

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