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残業手当に頼る仕事の進め方について

文 小林 毅


2018.02.13

こんにちは、あなたの成功する転職をサポートする、人材コンサルタントの小林毅です。

ヘッドハント時代と起業してからは残業という概念が無くなっているのですが、サラリーマン時代は残業手当が出る組織に属していました。この残業手当ですが、ずっとその存在意味がわかりませんでした。

単純に、仕事があって、その仕事が終われば帰る、終わらなければ終わるまでやる、ものだと思っていたからです。ただ、確かに終わらない仕事というものは存在しますから、残業手当が貰えないとやっていられないという気持ちもわかります。

しかし、かつての同僚を見ていると、どうしても残業手当欲しさに、無駄に残業をしていたように思えて仕方ありませんでした。

無駄な残業をしたほうが、給与が高いという現象

かつての同僚で、非常にパフォーマンスが悪い社員がいました。年齢は同じくらいだったので、基本給は同等だったのですが、年収ベースでいうと、その同僚のほうがはるかに高かったのです。

彼の行動は、一日何をやっているかわからないくらいデスクにいませんでした。時折掛かってくるプライベートな電話に振り回されていたようで、その聞こえてくる会話の一部から、お金に相当困っているような雰囲気でした。

日中デスクに居ないためか、夜遅くまで仕事で残業をしていました。いや、正確に言うと、ただ残っていただけでした。上司も目をつむっていたのか、どうでもいいと思っていたのか、申告どおりの残業手当を付与していました。あり得ない金額の残業手当は社内でも問題になりましたが、結局何も変わりませんでした。

これは極端な事例ですが、多かれ少なかれ、多くの人の発想は、無駄に会社に残って残業代を稼ぐことを目的としていました。そんな生産性の低い状態に何の意味があるのだろう、といつも思っていました。

残業をしていないと母親に言った時

そのような考えを、母親に話したことがあります。そうするとびっくりしたような顔をして、「そしたら給与が貰えんやん」と言われた記憶があります。

残業手当を見込んだ家計で生活設計をすることは、そのときは当たり前のことだったのかもしれません。

当時から、残業手当に代表される諸手当は、言わばおまけみたいなものなのですが、不公平感が満載であると思えて仕方ありませんでした。

例えば、家族手当。独身よりも家族が多いから給与が高いという発想です。確かに、生活コストが掛かりますから、会社として高くしてあげたいという気持ちがあってのことだと思いますが、独身の人からするとたまったものではありません。

そしてそのような人たちがわざと残業をして時間稼ぎをしている状態が会社内で横行していました。例えば、日中席に殆どおらず、タバコを吸ったり、雑談したり、どこかに消えたり、今思えば不健全極まりない組織でしたが、皆が同じことをやっていると疑問に持つものがいないのですから不思議です。

私はそんな組織はおかしいと思い、そのような時間稼ぎをしているような人たちをなんとかして欲しい、と上司に懇願したことがありました。

そのときの上司の回答

そのときの回答は、「そんなことを気にしているとウチではやっていけない。組織を変えることはできないから、嫌だったらお前がでていくしかないな。」というものでした。

この元上司は、ある程度組織を諦めていたのか、改善したいという気概はあまりなく、むしろ自分がどうすれば楽に働けるか、ということを追求していたように見えました。出張を自分で作って、1週間以上オフィスに居ないこともしばしばでした。

出張をすると、これまた出張手当が付きます。ちょっとしたお小遣い稼ぎですね。基本給+手当が付きますから、会社に居ないほうが自分の実入りが良いということです。

福利厚生が充実している会社でしたので、このような現象は日常でした。そこに疑問を持った人の選択肢は2つ。受け入れて自分も同様に振る舞うか、会社を辞めるか、です。

私は辞める選択をした

考え方によっては天国のような会社でしたが、どうしてもこの環境が長続きするとは思えなかったのです。手当はあくまでも手当なので、業績が悪くなると容赦ない見直しがあるだろうと考えたこともありますが、何より自分自身の価値が暴落することに危機感を感じたのでした。

仕事をゆっくりやる、仕事をサボる、無駄な出張を入れる、という生産性の低い活動で給与が維持されていることへの危機感です。

「こんないい会社、何で辞めるんだ?」

私が退職の意思を示した時、多くの人から言われた言葉でした。なかには、「あいつは馬鹿だ、辞めてどうする?」と言っていた人もいました。

その後、その会社は売却され、別会社になりました。当然、今までのような待遇は期待できません。その決定後、元同僚と会った時こう言われました。

「これからを考えると大変だよ。でも小林はいいよな、気軽な立場で。」

最後まで違和感でした。

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