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企業年金団体の厳しい現実

文 小林 毅


2013.01.21

企業年金についての出来事

私の配偶者は現在は専業主婦ですが、以前は某業界で働いていました。短大卒業から出産までですから、10年強勤務していたことになります。

先日、その業界団体が運営する企業年金団体より、一通の通知が来ました。内容を読むと、現在予定されていた年金額を支払うことが困難になっていて、大幅に支給金額を下げたい、というお願いという手紙でした。加入期間が短いので、貰える額はもともと大きくはなく、年額で約13万くらいでしたが、これが一気に2万ちょいにしたい、というものでした。これはどういうことかと思い、代理で私が電話することに。

手紙には減額のお願いとともに、一時金払いを請求できる権利も言及されていましたので、その件も伺ったところ、一時払い金については額をすぐに教えられない、という回答。ただひたすら、年金減額に同意いただき、65才からの支給でお願いしたいという一点張りでした。しかしながら、こちらとしても年金減額に同意しようにも、比較の数字が分からないと難しいので、おおよそで良いので、どのくらいになるかを再度確認しました。
すると、電話担当が上司に変わり(のち常務であると判明)、いきなり『あんた、何を言ってんの?出来ないものは出来ないんだよ!』とけんか腰。こちらはただ判断するにも数字で比較できないと分からないということだけなんだけども、なぜか興奮している状況。『あなた通知を読んだのか?読んだのにそんな問い合わせをしているのか?』取りつく島がありません。

こちらもカッと来たので、やや強い口調で話をしてしまいます。すると、あなたの奥さんから昨日電話があって、こっちからすぐに電話してもなかなか出ないし、結局わからないということで、ご主人から掛けるって。こちらも忙しいんですよ、という訳が分からない話になり、こちらも???となりました。すぐに、それは別人ということだったのですが、それくらい興奮しているのです。

冷静になって聞くと、このような問い合わせが毎日ガンガンあるようで、気が立っているということのよう。再度落ち着いて話を聞くと、おおよそは以下の通り。

  • 現在の企業年金に加入している会社が、ここ最近の不況で倒産などしている。
  • 事業主は、企業年金を維持するため、倒産した企業分も負担している状況で、大変苦しい。
  • 現在現役で働いている人たちは既に減額分での支給になっているので、OBの方も合せてほしい
  • 一時金で受けとることも出来るが、皆がそういう要望を出すと、基金事体が運営できなくなり、解散せざるを得ない
  • なので、一時金という選択をせず、減額した年金で受け取ってほしい

ということでした。

先日テレビでも同様なことがニュースになっていました。脱落する企業が多いということに加え、運用を依頼していた会社が運用に失敗(それを隠す)などをしていたため、財源を大幅にロスしてしまい、年金維持が出来ないという切実な内容でした。その番組は、この状況を鑑み、既にこの企業年金は終わっている、だから延命措置ではなく、解散という形を取ろう、という話し合いをしていました。

私は今まで数社在籍していましたが、そこでは厚生年金部分のみで、企業年金は皆ありませんでした。確かに、厚生年金に上乗せで支払われている企業年金があると、わずかでも大変助かります。しかしながら、実際に運営できていない状況下では、積み立て部分すら帰ってこないのではないかという懸念も出てきます。事実、既に国の年金制度は厳しい局面を迎えているため、支給年齢も徐々に引き上げられる一方、保険料も上がる傾向にあります。

国の制度でさえこの状況なのに、一企業年金団体が、苦難を乗り越えて持ち直すということも考えにくい状況だと思います。最終的にはどうするかは決めていませんが、改めて将来不安を感じた瞬間でした。

我々よりも上の世代は、このような年金での懸念はないのでしょうね。ホント、いろいろなことに備えは必要ということです。

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