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最近求職者との距離が遠くなっている企業について


こんにちは、あなたのキャリアアップする転職をサポートする、人材コンサルタントの小林毅です。


人材紹介業の仕事をしていると、人事担当者とのやり取りが頻繁になるのですが、最近その窓口の対応に違和感を感じることが増えてきました。


RPOというサービス

RPOとは、Recruitment Process Outsourcingの略称です。これは採用に関するプロセスの一部をアウトソーシングする、という考えで、サービスの内容によってプロセスの部分が変わってきます。


例えば、集客から面接までのプロセスのところもあれば、面接対応から意思決定の場面まで携わる、などです。最近の企業は求職者獲得に苦労しており、また、新しい人事サービスをキャッチアップできないという悩みを抱えています。自社にノウハウが無いので、外部に求めていくということですが、その使い方を間違えると、いい人材の確保が益々出来ないというジレンマもまた抱えることになります。


レスが遅い担当者が増えている

紹介業として応募手続きをしたとき、一番困ることはレスが遅いことです。求職者は直接企業に連絡が出来ないので、レスが遅い=紹介会社が悪い、という図式が出来ます。その結果、信頼関係を失うことに成り兼ねないので、自然そのような企業へは推薦しないとなってきます。


ある企業に応募した際、書類選考に2週間以上掛かりました。そして面接希望日の連絡をしても、希望日の前日になっても何の反応もないのです。その会社は基本電話がNGで、メールでのやり取りを基本としています。でも急ぎの案件でもあるので、人事担当へ連絡しました。


すると、「メールで返信するのでお待ち下さい。」という反応。いやいや、メールが来ないから電話したんですけど、という反論をすると、とにかくメールで返事します、という一点張り。さすがにしびれを切らしたので、過去名刺交換したことのあるマネージャーに変わってほしいと言いました。


信じられない反応

そこで出てきたマネージャーは、何で電話で話さなければいけないんだ、という感じで、とても不機嫌です。全然話が共有されていないと思ったので、一から説明をしましたところ、これまた信じられない回答が。


「わかりました。うちのやり方が気に入らないんでしょう?じゃあ、小林さんが望むような対応をしますから、それで文句はないでしょう?」


求職者がいるので、それ以上は反論はしませんでした。目的は面接が実施されることですから、議論をしても仕方がありませんからね。


後日、この会社の方とお話したところ、人事部をディスることを言っていました。

「あいつら、何の権限もないし、仕事も中途半端。採用のことなんか全然知らないんだから使えないんだよ。」


もはや人事採用担当はいらないのか?

この会社がなぜこのようになってしまったのでしょう。背景としては、大量採用の事情があったと思います。そもそもノウハウが無い人事部が集客困ったためRPOを利用しました。その際、応募数を優先する戦略を取ったのですが、結果、採用基準に満たない応募者が殺到することに成りました。応募要件を緩和すれば、応募数は増えるのは当たり前なのですが、同時に、お見送りの連絡という膨大な作業が発生することになります。


今の人数では対応できないから、派遣スタッフを雇って対応する、という選択をし、更に、電話対応が出来なからメールのみの回答をするようになりました。結果、いい人材も、その他見送り人材と同じ対応をすることになり、クオリティの低いサービスとなってしまうのです。


そんな人事部の社内評価は下がる一方です。だから、人事採用はいらない、という議論になってくるのでしょう。


採用の現場は戦場のはず

昨今、超売り手市場と言われているので、母集団を求める量での戦略を取る企業が増えていますが、いい人材は一握りで、如何に確保していくのかがポイントということは今も昔も変わりません。いい人材の確保で必要なことは、応募があったときに見落とさないことです。そしてスピード感を持って選考し、他社よりも先に内定受諾の意思をもらう、です。そのような状態は戦場と同じで、採用に関わる関係者を巻き込んで突き進むべき戦いです。


いい人材が採れないと考えた会社が、自社の問題点を棚上げにした結果、更に採用難に陥っていると感じる事例がとても多いと思います。


更に個人的に思うことは、採用担当者の市場価値を考えれば、採用の現場から距離を置くことは死活問題と考えるべきです。誰でもできる仕事と思われた瞬間、ビジネスパーソンとしての価値も失い、結果、仕事さえ失い兼ねませんからね。

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