こんにちは、あなたのキャリアアップする転職をサポートする、人材コンサルタントの小林毅です。
かつて上岡龍太郎という論客がいた
随分前の話ですが、上岡龍太郎という芸人がいました。歯に衣着せぬ言動が売りの、関西を代表する論客者でもありました。上岡氏の物言いは、聞く人が聞くと、上から目線が過ぎ、反感にも似た気持ちにもなります。
一方、父親が弁護士であったこともあるのか、非常に筋道を通すロジカルシンキングの持ち主で、正論で話すため、相手が反論できずタジタジになることもあり、それが政治家などであると、納得感と爽快感も得られるとても魅力的な人物でした。
もう数十年年前に引退をされ、現在は一般人になっているので、とても残念に思うこともしばしばです。今の時代にもし彼がコメンテーターであったらと思うと、結構楽しめたと思うのです。
読書好きならではのコメント
その上岡氏がある番組で読書することを推奨していました。その時の読者の姿勢として「読者は王様なんですよ」とおっしゃっていました。曰く、著者は、本一冊を書くために、たくさんの時間と労力を掛けています。過去の経験やデータ収集、企画構成から実際の執筆に掛ける時間などを考えると、膨大な量です。
その苦労して集めたものを一冊の本にまとめ出版するのですが、読者は座って、著者の主張を2、3時間で読むことが出来ます。更に、著者がまとめた成果を、批評することも出来、自分にとって合うか合わないかを瞬時に判断することも出来る強い立場である、と発言していました。
その話を聞いたときから、私もなるほどと納得し、多くの本を読むようになりました。
ビジネス書はもちろん、好きな歴史関連の読み物や小説、純文学、エッセイなど、暇さえあれば読むようになりました。以前はミステリー本は好きなジャンルでなかったのですが、読むと、とても緻密で学ぶことができる良書とたくさん出会いました。
25歳の頃から読書に目覚め現在に至るのですが、読書に少しでも多くの時間を割きたい、今この瞬間がもったいないと感じるようになりました。まさに私は王様の如く振る舞い、著者の研究成果を短時間で自分のスキルに加えることが出来る手軽な手段と気づいたのでした。
著者の側に立って思うこと
それから年月が経ち、私自身が著者の立場になりました。一冊の本を出版するために、数多くの類書を読み、そしてどのようにすれば編集担当者と会えるのかを勉強し、企画書をまとめ、出版の足がかりをつかまなければいけません。そして膨大な時間を執筆に割き、ようやく1冊の本として世に出回るのです。
この経験は大変でもありますが、自分を高めるための貴重な経験でもありました。そして書店回りをしていると、今まで見えなかった風景も見え、新たな発見ができる毎日を過ごしています。
今はどの本が流行っているのか、新たな出会いを楽しむため、今度はまた王様側に回るのです。私は書店に行くだけでも、人の人生は変わると思います。
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