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『おしん』で考える労働問題


こんにちは、あなたのキャリアアップする転職をサポートする人材コンサルタントの小林毅です。

現在『おしん』が再放送されていますが、日本のサラリーマンの生産性問題と非常に似ていることに興味を持っています。


『おしん』の仕事感

もともとおしんは小作の娘として生まれました。兄弟も多い割には収入がとても少なく、明日食べることすら絶望する毎日が続きます。小作は、地主から土地を借り、収穫後に地代を米で納めます。その年の収穫が少ないと、収めるべき地代すら払えない状態になり、地主から借金をすることになります。このような奴隷のような構造的問題があり、一生貧しい生活となります。


そのため、長男以外は奉公に出されます。おしんは数え7歳(今では5歳)で子守奉公に出されるのですが、米2表で売られるようなものでした。

2回目の奉公先が酒田の米問屋でした。そこで仲介するだけで利益を上げるビジネスモデルを目の当たりにし、小作農家などバカバカしいと考え、自立する道を模索するのです。


髪結として独立

おしんの実家に姉が病気になって帰ってきました。この姉は製糸工場で昼夜を問わずこき使われ、肺を患っていました。臨終の間際、自分は東京で髪結になることが夢だったとおしんに話し、その夢をおしんに託します。いみじくも、女郎部屋に売られそうな状況だったので、逃げるように東京へ向かい、そこからおしんの人生が激変していきます。運命を切り開くことに邁進していくのです。


姉から紹介された髪結では、未経験のおしんは当初相手にされませんでした。しかしチャンスを掴むため、雑用でも何でもやる、という強い意思が師匠を動かし、住み込みで働くことができます。


おしんの人柄やスキルの高さに目をつけた師匠は、当時主流であった日本髪ではなく、新しい髪型、洋髪のプロになることを勧めます。日本髪は徒弟制度を引いていたので、丁稚奉公のようなことから始めなければいけませんが、洋髪ならば、そのような制約が無かったからでした。同時に、今後のトレンドは、必ず洋髪になるはず、という確信もありました。師匠はおしんの可能性を後押ししてくれたのです。


結婚という選択でキャリアを失う

やがて田之倉商会という生地問屋に嫁に行くのですが、ここの経営が火の車でした。すぐに倒産し、在庫の山です。おしんはその在庫を闇市で処分し、新しいビジネス、子供服事業を興します。小さい成功でしたが、将来が明るくなりました。その矢先、関東大震災が起こってしまいます。


震災で何もかも失ったおしんは、夫の実家である佐賀に身を寄せます。居候ですから、自由もありません。やったこともなく、やりたくもない開墾の仕事を強要され、また奴隷のような環境へ逆戻りです。今はここまで話が進んでいるところです。


選択ができる人生は素晴らしい

小作という奴隷状態から、髪結という専門性を身に着け成長したおしんは、現代の我々にも大きな刺激を与えてくれます。私が感心するのは、小作という働き方がおかしいと感じたセンスです。

親や兄は、借り物の土地にも関わらず、変化を恐れ、やり方を変えようとしません。地主に奴隷のような扱いを受けても、逆にありがたいと思うくらい洗脳されています。


現在はこれほど酷い状況はないですが、社畜という言葉があるとおり、ある種奴隷扱いを受けていることは事実でしょう。理不尽な異動や社命など、社員の権利を無視するかのような扱いを受けることもあります。そんなとき、おしんのように自分から変化を求めて行動するか、親や兄のように変化を好まず現実を受け入れるのか、という選択はあるでしょう。


まだ話が続きますが、おしんが今後どのように成長していくのかが楽しみです。

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